ときどき考える、ときどき日記

アラサー社畜(会社員)がこれからの人生について考えたり、日記を書いています

意図を読み取れなかったこと

先日、転職の面接のために東京へ行ってきた。いくつもの書類選考が不採用となる中、初めての書類選考通過に胸が高鳴った。
でも実際は東京へ出向いて面接を受けて、高揚した気持ちがぺしゃんこになった。面接結果がダメだったことよりも、面接の内容に、だ。

その会社へは転職エージェントに紹介してもらい書類選考を通過して面接にこぎつけた。
詳細は書けないが業界大手のグループ会社ということと、エージェントから「相手企業に紹介をするのが今回が初めて」と言われたこともあり、「採用不採用以前に粗相は出来ない」という気持ちで面接に臨んだ。

面接官は2人。1人は採用担当者、もう1人は採用された際に上司となる役職の方だった。
履歴書に書いてあることに沿って質問が進み、勤務地が東京だという話になったとき、採用担当者がこう切り出した。
「この月給じゃ東京で一人暮らしなんて無理だと思いますけど。その辺はきちんと考えていますか?東京は危ないところだし、憧れだけで生活はできませんよ。だいたいどんな狭いマンションだって家賃だけで8万見とかないと都内には住めないよ。この月給より少し多い子でも生活が苦しいって言ってるくらいなんだから。」

いろいろと言いたいことは出てくるけど、どこから反論していいのか、どこまで反論していいのか、「頭が真っ白になる」という表現が適切な瞬間だった、いま振り返るとそう思う。
その日の夜、転職エージェントから面接の感想について電話で尋ねられた。面接で言われたことを要約して話すと「試されたんでしょうね」と返された。
試す…試すって、そこを試すの?とまたショートしかけたけど何とか持ち直して受け答えをし、電話を切った。

面接官の言葉から考えると、「会社の提示する月給が東京で生活するのに見合わない額だ」と言う意味になるけれど、それはつまりどういうことなのだろう。
「神奈川の山奥なら住むところがあるかもしれない」とも言われたけれど、「神奈川の山奥から通い、苦しい生活に耐えながら、情熱ややりがいを支えに働くしかない」ということを求めているのではない気がした。
また、わたしが調べている賃貸マンションは都内で6万円台でもまあまあ数があるようだったけれど、「そんなことがあるはずがない、あってもボロアパートだろう」と一蹴されたのは、本当にわたしが世間知らずの田舎者だからなのだろうか。

もちろん、東京の実情について知らないこともたくさんあるだろうけど、世間知らずと取られないように向こうにいる友人から話を聞いたり、インターネットで情報を集めたつもりだった。
この面接試験の結果が不採用だったのは、わたしが「世間知らず」と取られただけでなくて、志望動機やキャリアに足りないところがあったからなのだと思うが、それにしてもあの質問の意図は何だったのだろう。
わたしが用意した情報、わたしの考えていることは伝えたが、ぴしゃりと跳ね返されてしまうと、それ以上答えようが無かった。

そういう経緯もあり、仮に面接が合格だったとしても「あの面接官の下で働く自信がない」と違和感を感じてすっかり怖気づいていたので、不採用の通知を受けてもあまりがっかりしなかった。
でも、あの質問に対して面接官の納得のいく返答はどういうものなのだろう、ということについては、数日経った今もまだ考えている。

上手く言えないが、質問の本質はもっと他のところにあって、話し方や表情といったコミュニケーションの問題なのかもしれない。または、何かを引き出そうとされたのかもしれない。
意図を読み取ることは出来なかった。
でも、あの足元を見られたような時間とを思い出すだけですごく悔しくなるから、まだまだ諦められそうにない。