ときどき考える、ときどき日記

アラサー社畜(会社員)がこれからの人生について考えたり、日記を書いています

わたしは運動ができない

先週からランニングを始めた。と言っても週に1日、休みの日だけ。

昔から本当に運動ができない。陸上、球技、体操…ありとあらゆるスポーツが苦手だったため、学生時代はおろか、保育園に通う頃から運動が絡む思い出には残念なものしかない。

親から聞かされた思い出で一番古いものは「あんたが入ろうとすると絶対縄に引っかかるから、大縄跳びに混ぜてもらえなかった」だ。全く覚えていない。人ごとみたいだけど、かわいそうすぎる。その後も暗黒時代は続き、運動会当日が雨になるように願う子どもだった。できないことに苦手意識がついてしまうのはしょうがないことだと思う。なかでも一番苦手な運動は走ることだ。一番苦手な交通手段でもあり、世の中から消えてほしいと願う事象でもあった。徒競走で常に遅いほうだったという挫折感は大きい。
 
できればいつだって走ることを避けて生きていきたかったのに、昨年無理矢理走らされた。いまの職場が毎年参加しているリレーマラソンに登録させられたのだった。本人の意思を確認せずに勝手にエントリーをして、さらっと「登録済みです」と言われ、驚きと怒りで震えるレベルだ。
「こんな会社今すぐ辞めるべきだろうか」と思いながらも、諦めて次の日にはスポーツ用品店に出向きシューズやウェア、ランニング用の下着を買い込み、週2〜3日走る練習をした。わたしが走るのは3kmだったが、最長で800mしか走ったことのない人間には大きな挑戦だったのだ。約3週間の練習で当日は何とか歩かずに走り終えることができた。
 
ランニングはそれ以来1年近くしていなかったのだが、秋頃からひとり言の8割が「背中痛い」になったことに危機感を感じ、何か運動を始めなければと思ったまま冬になった。わたしの住む地方は雪が降りやすいところなので、冬に屋外で運動することは当然諦めていた。でもジムへ通うのもお金がかかるし続くかわからない・・・とモヤモヤしたまま年が開け、2月になった。わたしがモヤモヤしている間に向かいの席の先輩は年末からジム通いを始め、週3日くらい通っていた。運動はしていなかったがダイエットをして体重が減ってきたわたしは、ちょっと満足していたのだ。
 
それでも背中が痛い状態は変わらず、雪が溶けて天気が落ち着いてきた先週、意を決してウィンドブレーカーと発熱するスパッツ、スパッツの上に履くスカート、手袋、さらにiPhoneをしまうためのウエストポーチを買った。ポーチはこれ。ちなみにポーチ同様、色はすべて黒とビビッドなピンクの組み合わせである。
そして帰宅後装着してすぐに走りに出たのだった。わたしの人生でウィンドブレーカーが必要になったことは初めてだ。走り出したときは裏起毛素材のおかげで暖かいことに感謝したが、次第に汗だくになり、ウィンドブレーカーまで要らない気分になったので残念だった。
 
こんなときでも長丈のズボンを履きたくなかったので(1年半前にズボンやパンツを履くのをやめている)、スパッツとスカートを購入し、全身の色味を黒とピンクで統一したが、この姿で日中走るのは結構恥ずかしい…と走り始めてから気づく。いや、格好が恥ずかしいのではなく、ちっとも走れない自分が「わたし、走るの趣味なんです!大好きなんです!」と主張するような格好で走っていることが恥ずかしかったのだ。できないのにできる人のように振る舞い、偽ることは根本的に恥ずかしいことなのだと、意外なところで学ぶものだ。
 
恥ずかしい格好で自宅を出発し、歩道の広い、交通量の多い道路沿いを走った。時間は先週も今週も1時間弱。すれ違う人や車が気になりやっぱり恥ずかしいが、キャップを目深に被って気にしないようにした。
 
週に1日だけでどれだけ背中の痛みを軽減し、健康やダイエットの効果をもたらしてくれるのかはわからない。体力づくりが目的でもあるけれど、週に1日、たった1時間がどう作用していくのかは、または習慣化することで時間や距離が増えていくのかは、今後の自分に期待したいところ。わたしはまだ走ることが好きなわけではない。でも、好きになるための余白ができた。
 
余談だけど、この記事を書くためにウエストポーチをAmazonで検索したら、本来の着け方がわかったのだった。腰に巻いてたけど、たすき掛けすればいいなんて知らなかったので、やっぱりわたしは恥ずかしい。