ときどき考える、ときどき日記

アラサー社畜(会社員)がこれからの人生について考えたり、日記を書いています

指先の痛みが示すもの

涙が流れるほど悲しい気持ちになると、指先が痺れるように痛む。
この現象に名前はあるのかと思いインターネットで調べてみても、正確な情報を得ることはできない。
個人差のある現象なのかもしれない、でもとにかくわたしは泣いているうちに指先が痛くなるのだ。

わたしには恋人がいる。
いるのかもしれない。
いた。
はっきりしないのはもう連絡を取らなくなって1ヶ月以上経つからで、最後に会ったのは8週間前だからだ。
向こうの仕事が忙しいから、という理由で会う予定を取り付けてもらえないので連絡することをやめたら、この様だった。

この話をすると友達には必ず「彼氏が悪いのであって、あなたは悪くない」と言われるけれど、わたしはそうとは思わない。
わたしから言い寄って始まった関係だった。
向こうが定期的に連絡したくなるほどわたしを好きにはなれなかったのが、そもそもの原因だろう。
大きな喧嘩もなく過ごした数ヶ月だった。でも本音を言えたと思うことより、飲み込んだことのほうが多かったかもしれない。

クリスマスが近づくにつれ、漫画「ハチミツとクローバー」のなかで「クリスマスは幸せな人のための行事で、自分が今幸せかどうかと問い質される気分」、みたいなエピソードがあったことを何度か思い出し、自分に重ねた。
幸せになるために行動できた人間が、幸せなクリスマスを迎えることができるのだと盲信しそうだった。

今月はクリスマスがあるから、いつか連絡が来るかもしれないと思いもした。
だって水曜日はわたしも相手も休みだ。今年のイブは水曜日だ。連絡はないけど会う気でいるかもしれない。
そんなふうに自分を励まして追い込まないようにもした。
考えないようにしていても職場では「20代で結婚できないやつはダメなやつ」と潜在的に思っている人から簡単にセクハラに遭うので「クリスマスはどうするの?」などと聞かれる。意識的にフラットな気持ちを作っているところに石を投げられた気分になり、交わしたところで顔中の水分が目頭に集まる感覚が起こった。つらい。なぜ仕事に来ているのに恋人を思い出させられて泣かなきゃいけないのだ。

そんな日々を通り過ぎてクリスマスイブが来た。
もちろん連絡はない。
部屋の掃除を済ませたら、洋服を買いに行こう。
わたしも相手も好きなブランドで、いつか一緒に買い物に行けたらと数えられないくらい想像したお店へ、今日もひとりで行く。